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Kotlinからお手製Javaライブラリを呼んでる人のためのJSpecify入門

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これはKotlin Advent Calendar 20242日目の記事です。前日は id:take7010さんの「KotlinとOpenAI APIで領収書の情報を抽出する」でした。

先日Kotlin愛好会オンラインでJSpecify入門について話しました。JSpecifyについては3年前のJJUG CCCでも話しましたが、この夏にv1.0.0が出たので改めて知っていただければと思っています。

speakerdeck.com

JSpecifyの何が嬉しいか

Kotlinの世界に閉じた実装を行っていると、JSpecifyのアノテーションを使う機会はほぼないはずです。JSpecifyが嬉しいのはKotlinからJavaを呼ぶ場合です。 Javaライブラリ側の引数や戻り値をJSpecifyアノテーションで修飾しておくと、null-safetyなKotlinの引数や戻り値と同じように扱えます。 今まではKotlinコンパイラが警告を吐くだけでしたが、Kotlin 2.1.0からエラーとして扱われるようになりました。

どこから始めればいいか

nullableな戻り値を @Nullableで修飾するところから始めましょう。ランタイムの NullPointerExceptionを防ぐために最も重要なアノテーションだと思います。

次点が List<T>のようなGenericsだと思いますが、このへんはけっこう複雑なのでドキュメントに目を通しておきましょう。

なおすべてのnullableな型を修飾したと言えるようになったら、パッケージを @NullMarkedで修飾しておけば「 @Nullableが無いところは全てnot-null」だということをコンパイラに伝えられます。 nullableな値を持ち回らないようなコードを書いている場合は便利かもしれません。

Java と Kotlin を安全に橋渡ししよう

Kotlinの強みのひとつとして「Javaの資産を活用できる」のが挙げられますが、そのためにはJavaになくてKotlinにある機能をどう扱うかを検討しなければなりません。 null安全はそのうちのひとつですが、JSpecifyのv1.0.0リリースによってある程度標準的な解決策が用意されたと言ってよいでしょう。 KotlinをJavaで書かれたライブラリやフレームワークと組み合わせて使っている方は、ぜひ試してみてください。

Kotlin Advent Calendar 2024の明日の記事は、 id:tsukakei1012さんの「Exposedについて①」の予定です。


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